製品の選び方

防災向け飲料水の量はどれくらい必要か?千葉大停電から学ぶ水タンクの選び方と水漏れ対策

飲料水は1日3リットルの確保が必要

行政がアナウンスしている飲料水の備蓄量は、1日3リットルとしています。3人家族で3日分を用意するとなると、3リットル×3人×3日で最低でも27リットル。お茶2リットル入りのペットボトルであれば13.5本。

ディスカウントショップやAmazonの通販でペットボトルの箱入り(6~9本入)であれば2ケースくらいの備えが必要です。


飲料水は水タンクに貯水しておくのも良いですが、お茶などを定期的に箱買いしておき、日常的に飲んだ分だけ新たに買い足しておけば、備え方としてもスマートかと思います(ローリングストックと呼ばれています)。

「普段はペットボトルのお茶を飲まないんだけど…」という方なら、ミネラルウォーターでも構いませんし、日常のすべての飲料を置き換える必要はありません。飲料水の賞味期限は十分に長いので、3~4ヶ月かけて1箱消費するペースでも全然余裕です。

水タンクで猛暑対策や生活用水の追加備蓄も必要

台風15号で千葉県一帯で大停電がおきたのは記憶に新しいと思います。

台風15号が千葉県上陸したのは9月9日の朝5時、断水から全面復旧したと報道されたのは9月25日でした。給水車は地域によってまちまちですが、市役所前などで9月9日~9月11日ごろには始まった模様です。

千葉県の台風被害を例にまとめると、

1日目台風被害により断水!
13時ごろには横芝光町で気温35.4度を記録。
3日目給水車による支援が行われだす。
ただし、30リットル程度の飲料水備蓄は3日程度で尽きる計算
4~16日目断水期間…。
17日目水道が全面復旧したと報道される。

復旧までには17日間かかっており、お茶のペットボトル2ケース備蓄していた世帯でも最大2週間は給水車を求めて飲料水のほか、生活用水の確保が必要となります

地震ではなく台風被害でも2週間ですよ。
台風は地震よりも遥かに被害頻度が高いです。その襲来頻度は、気象庁の2000~2019年の直近20年のデータで平均24.55個!

台風シーズンは夏場ですから、手洗いや身体をふいたり生活用水として使う以外にも猛暑対策用の水も必要でしょう。また、給水車が来てくれるといっても安心はできません。

  • 給水車は自宅に横付けしてくれる訳ではない
  • 給水車がくる情報を取得、準備
  • 水を入れる容器の準備
  • 水を入れて重たくなった容器の持ち帰る手段
  • 給水車の水が尽きてしまう場合もある

ペットボトルや水タンクで飲料水を2~3日分用意するだけでなく、断水が続いた場合は給水車と自宅をかなり往復する事も踏まえ、浴槽に水をためておいたり、雨水をためて水洗トイレを流す水に活用したり、普段から水の追加備蓄を行っておきましょう。

ちなみにですが、給水車は状況に応じて1名あたりの給水量を制限する場合があります(※日本水道協会 災害時における応急活動の実施の資料より)。首都直下や南海トラフ地震のようなケースだと、1名あたりは少なくなるかもしれません。

水タンクとして保管したポリタンクの水漏れ対策

国内の樹脂ケースを多数製造するメーカーのポリタンクであったとしても、水を満水にして長期保存したり、製品の個体差なのかわからないのですが、「フタを締めても、傾けると水が漏れる」という状況が発生しやすいです。重量でフタのネジごと歪む場合もあります。

キャンプ用品メーカーの水タンクでさえ、「水漏れするので横方向においてください」みたいに水を入れた後の設置については注意書きがあります。なので、本気で震災にも耐えうるタンク本体と貯水量を確保しようとなると、ステンレス製の受水槽(極めて丈夫な水タンクです)みたいなものでないと難しいのかもしれません。

前述の問題は下記での対処が現実的かなと考えております。

  • 水漏れ軽減のため、なるべく蛇口なしの製品にする
  • 水漏れ軽減のため、水の出口が同じ方向の製品にする
  • 水漏れ軽減のため、可能なら中栓がついた製品にする
  • 保管時、玄関など水漏れが起きても屋内への浸水を防ぐ
  • 保管時、タンクごとビニール袋で包んで水漏れを防ぐ

ポリタンクについている蛇口は水道用のものとは異なり、止水の仕組みや加工精度が良いとは言えず、長期保存には向きません。また、震災でタンクの転倒してしまった場合に備え、分厚いビニール袋などで包み込んでおくと良いと思います。

中栓・パッキン付き。品質劣化を抑える遮光性のあるタンク 瑞穂化成工業 扁平缶広口 10L グレー 0192GY

瑞穂 扁平缶広口10Lグレー 0192GY 扁平缶
容量10リットル
特長品質劣化を抑える遮光性の低い容器
中栓で水漏れを抑えられる
主な材質高密度ポリエチレン(HDPE)

紫外線の透過率の低い遮光性の容器に加え、中栓付きの仕様が良いですね。他のポリタンクと比べてノズルや蛇口がついていないためそこは不便ですが、鍋とかに移し替えて対応しましょう。できるだけ水漏れを抑えるためにも仕方ない仕様かもしれません。

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18リットルの飲料が1500円程度で備蓄可能に キリン 生茶 お茶 2L PET ×9本

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「定期便にしてしまうと意外と消費が激しいなぁ」と感じる場合は、お茶をわかすのに間に合わない場合にだけ使って、使った分を補充しておくことで常に一定量の備蓄をキープすることができます。

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ミネラルウォーターならさらにリーズナブル アサヒ おいしい水 天然水 ラベルレスボトル 2L×9本

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お茶と比較して18リットルの飲料水を1000円程度で備蓄できます。

ただ、リーズナブルなペットボトルはどこもペットボトルの厚みが薄くて強度も低いので、高いところにおいたり、他の家具で保管したダンボールが下敷きにならないような場所へおいておきましょう。せっかく備蓄したのにタンスや重い家電に押しつぶされて水びたしになってしまう場合があります。

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ogawa(オガワ) アルミカート125 耐荷重125kg 7011

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1914年創業の老舗アウトドアブランド ogawa(キャンパルジャパン株式会社)がおくるアルミカート。海外のメーカーがよくわからないキャリーカートは3000~5000円くらいで手に入りますが、強度の問題でかなり心配ですね…。

ちなみに100kgの荷物の目安として缶コーヒー30本入ったケースが約15ケース分くらいです。耐荷重100kgを謳う格安キャリーカートとか見かけますが、本当に積めるのか、そして動けるのかかなり疑問ではあります。

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