防災レポート

第17回千里メディカルラリー(2018年度)、テロ対応シナリオで各チーム大苦戦!

約4万人を収容できるサッカー専用のスタジアム、Panasonic Stadium Suita(パナソニック スタジアム 吹田)で、医師・看護師・救急救命士がチームを組んで時間内にどれくらい的確に救急医療へ挑めるかを競う第17回 千里メディカルラリー(2018年度)が実施されました。

シナリオはもちろん参加チームには伝えず行うブラインド形式。スタジアムの2階を除く1~6階の各所でシナリオが発生することになっています。

今回、一際目を引いたシナリオは3階・第3ゲート付近の通路側で実施された、オープンカフェでのテロ襲撃による突発事案への対応では、参加チームメンバーが全滅してしまうチームも相次ぎ、難易度が格段に高いものとなっていました。

シナリオの実施エリアの様子。奥の通路・階段も通行不能。

シナリオのゴールは、いかにテロリストに襲撃された後の危険な現場から離脱することができるかどうか(安全の確保)。

ゴールへのポイントとしては、災害やテロといった非日常の事象に遭ってしまった場合でも、安全確保のために周囲への注意力・観察力などが問われていました。

まずは一連の流れから。

オープンカフェへ案内される参加チーム。店舗へは店員のほか高齢者、妊婦などの観光客がいる想定。医療訓練なら「突然ぶっ倒れる人がでるのか?」「車輌が突っ込んでくる事故の発生か?」などと色々想定されたチームもおられたかもしれません。

「ウェルカム トゥ マッスルカフェーーーッ!」と、店員による歓迎?の挨拶。

参加チームの2班目も到着。チームによって参加人数はばらついていました。

外国人観光客も入店、席について会話がしばらく続きます。この間、傷病者の発生や事故なども発生していないため、参加チームも店員や観光客と乾杯したり和やかな雰囲気に。

異常の発端はこのミニスピーカーから。
かなりのスピードで走行してきた自動車が急ブレーキを踏んだ音が聞こえます。交通事故が目の前で起きたわけではないので、この音で身構えるようなメンバーはほぼ居ませんでしたが、心配そうな、または不安そうな感じで目を配った方はいました。

その10秒ほど過ぎた後・・・

ガンガンガンッ!と金属製の階段を激しく駆け上がってくる音と共に自動小銃を乱射。
店員と観光客のほとんどが死傷。ただ、参加チームは入口の銃声に気付いて素早く伏せた姿勢をとっていれば、回避したと判定されているようでした。

銃を乱射して走り去り、参加チームは伏せていたため回避判定とされたためか無事。傷病者の状況を確認していると、

その5~7秒後には・・・

既に殺傷してきたかのような風貌のテロリストが店舗へ侵入。
案内役の店員は抵抗する間もなく最初の犠牲となります。

参加チームが全滅するか、現場から離脱判定、何らかの理由で降着状態になった場合になるまで襲撃が継続。

運営スタッフの合図により終了。テロリスト制圧に向けてもみ合いになったチームを除けば、現場からの離脱成功やメンバー全滅の場合でも、ものの数分という短い時間。

シナリオを見てまとめたところ、こんな感じになります。
※印刷用ファイル:
第17回 千里メディカルラリー(2018年度)関係者向けの印刷用ファイルをアップロードしておりますので、もし宜しければ振り返りにご活用ください

なお・・・

ダミーナイフを所持(右手に1つ、左腰へ予備1つ)したテロリスト役は左右へ大振りして威嚇する程度ではなく、射程内にターゲットを確認すると壁や建物の角へと追い込むような突進を繰り返しつつ、急所を狙った素早い突き刺し攻撃をしてくる立ち回りで非常に攻撃的。

また、テロリスト役による襲撃で参加メンバーが死亡扱いになった場合の判定と、過度のもみ合いになったり離脱経路を誤って階段での転倒事故防止といった安全管理などについては、陸上自衛隊の皆様が担当されているようでした。

シナリオに参加したチームメンバーへフィードバックを送るテロリスト役の方。
ちなみに2名いるダミーナイフ持ちのうち1名は、元警察官・急襲部隊への所属経験があったとのことで、現場へ突入するという部分においてはまさに本職な方と対峙するハメに…。

1記事目:シナリオの全体像
第17回千里メディカルラリー(2018年度)、テロ対応シナリオで各チーム大苦戦!

2記事目:参加チームのハイライト、テロ対応への行動指針
第17回千里メディカルラリー(2018年度)、テロリスト役へ2人掛かりで応戦して制圧寸前までいったチームも!

3記事目:専門家からのフィードバック・振り返りミーティング
第17回千里メディカルラリー(2018年度)、テロリスト役へ2人掛かりで応戦して制圧寸前までいったチームも!