神戸市消防局・陸上自衛隊第3特科隊・兵庫県警などが、豪雨・台風接近も伴う土砂災害を想定した神戸市総合防災訓練の活動写真。
神戸市では昭和42年 豪雨災害から50年の節目ともあって今回撮影した訓練会場以外でも要配慮者施設の避難訓練と、神戸市役所の危機管理センターにて図上訓練も並行して実施されました。
訓練には関係機関の約100名が参加、神戸市消防局が先行して現地へ到着。
神戸市消防局 航空機動隊(兵庫県消防防災航空隊)所属、消防防災ヘリコプター(JA28HY)による情報収集から指揮本部へ伝送。
神戸大学 都市安全研究センター(RCUSS:Research Center for Urban Safety and Security)の協力により被災現場を調査、二次災害の危険性といったリスク評価を実施し、救助活動をサポート。
救助活動中の二次災害を回避すべく早期警戒用の監視キットを組み立て・設置。地形の小さな動きなどを検知して二次災害のリスクが不意に高まった場合は現場で警報音が鳴り響き、隊員らは指揮本部まで早急に後退、隊員の点呼や救助活動への支障がどう出たかなどを調査(ドローンが先行して現地を再確認)する段取りとなっていました。
認定NPO法人日本レスキュー協会の災害救助犬。被災地へ集合した参加機関のメンバーや、飛び交うドローン、訓練の見学者などへは一切立ち寄るような事はなく現場へ一直線。ハンドラーのかけ声に反応してすぐに大まかな要救助者の場所を特定していました。自力で動けるような要救助者(避難者とか)も、ちゃんと災害救助犬の捜索対象外になっており、捜索対応が終わって待機状態になった場合は常にハンドラーと目線を合わせており、集中している様子がうかがえました。
ハンドラーに駆け寄る災害救助犬。
画像探査タイプと見られるテクニカルサーチ。この棒状の捜索救助機器は様々なバリエーションがあり、画像で内部の状況を確認するのはもちろんの事、要救助者との会話が出来るマイク・スピーカー、酸欠を防ぐための効果的な空気供給、横たわっている要救助者が自発呼吸出来ているか確認できるレーダー付きといったタイプもありました。
大型ドローン、DJI社 M600。ざっと調べてみたところ本体価格は2017年で50~60万円。訓練中はバッテリーを入れ替えつつ、ずっと飛ばし続けて情報収集にあたっていました。最近では救助隊自身がドローンを操縦するのではなくて、ドローンの空撮を得意とする民間企業などと連携して訓練する事が多くなっていますね。
兵庫県警も現地へ合流。神戸市の消防士と情報共有を進め、県警は一番右側の埋もれた家屋を担当する事になりました。
陸上自衛隊第3特科隊も被災した現場へと合流。
土砂災害のため重機をすぐに投入出来ないという想定で土砂を人海戦術(主にシャベル)で排出。
陸上自衛隊の協力により素早く家屋の開口部を確保。
兵庫県警の現場指揮所からの視点。左側の家屋では神戸市の消防士が自力歩行可能な要救助者を支えながら救助が進む。
警察の救助隊が用意する事が多い多彩なエアー工具のうち、エアーソーの準備する兵庫県警。エアーソーは空気呼吸器の高圧空気ボンベの供給で稼働するため、工具自体はコンパクトになっています。
消防士が先導しつつ陸上自衛隊が要救助者を指揮本部付近に設営された救護所まで搬送。
土砂災害想定のため家財や家屋の構造物に模した部材が一般的な訓練現場よりも多く入っていた模様。
30~40分に1度くらいの間隔で6つ装着されているバッテリーを全交換。訓練時間中はほぼずっと飛ばし続けていたと思います。
今回の訓練で注目が集めたのがドローン。ドローンを防災訓練などに用いる事自体は増えてきましたが何れも小型な事が多く、大型ドローンは訓練に参加した関係機関も関心が高かったようで盛んに撮影されていました。
台風接近に伴う風水害・土砂災害を想定した神戸市総合防災訓練終了、お疲れ様でした!