全国危険物安週間に伴い6月4日、創業100年以上になる寝屋川市の染料・顔料の専門メーカー、オリヱント化学工業株式会社 大阪事業所様にて消防訓練が実施されました。
大量の危険物を取り扱う事業所では、自衛消防隊と呼ばれる消防組織を従業員が担うことが消防法で義務づけられており、今回の訓練では下記の想定が実施されました。
枚方寝屋川消防組合 訓練資料より:
14時00分頃 MF工場2階中央付近にて出火し、火災は延焼拡大し二次災害の危険性が大いにあり。MF工場内には、逃げ遅れの従業員数名が取り残されており、自衛消防隊による懸命の避難誘導・救出・消火活動が行われているが、さらに被害拡大が予測される。
訓練は操業中での実施のため、非常ベルなど火災を知らせると同時に従業員の方々が初期消火される方、消防署へ通報対応される方、自衛消防隊の編成…など一連の活動が並行して進行。
火災の規模が大きくなってくると一般的の事業所では手に負えず消防署に任せることになると思いますが、オリヱント化学工業様では煙の中でも進入していける装備を備えていました。
消火活動においては屋外消火栓などを用いて大量の放水が可能に。今回、訓練に参加された自衛消防隊の人員は自衛消防隊長以下60名と多数の参加で迅速に展開されてました。
訓練ではさらに火勢が増して被害拡大する想定のため、寝屋川消防署・寝屋川市消防団も次々と到着。建物の影などで直接確認はできませんでしたが、寝屋川消防署は9台 34名、寝屋川市消防団は1台 9名が投入されました。
寝屋川消防署 内訳:
指揮隊 … 1台 3名
寝屋川救助小隊 … 1台 5名
南消防小隊 … 1台 5名
寝屋川化学小隊 … 1台 2名
南救急小隊 … 1台 3名
明和水槽小隊 … 1台 2名
明和消防小隊 … 1台 3名
警備課 … 1台 6名
予防課 … 1台 5名
寝屋川市消防団 内訳:
団長、副団長、分団長、副分団長、第4分団堀溝班 5名
現場へは消防署・消防団が連携して活動を継続。MF工場内で逃げ遅れたとされる2Fへの要救助者探索も進められていきます。
化学消防車による放水。実際には放水は泡消火剤を用いるそうですが、訓練のため水のみとなっています。
注水の手法に関して(枚方寝屋川消防組合様より):
・噴霧注水について
(1)霧状で放水することで冷却効果が高くなり、少ない水量で温度を下げることができる。
(2)水損防止になる。
(3)電気の伝導率も小さくなるので、棒状注水では感電のおそれのある電気設備に対しても利用できる。
・棒状注水について
(1)大量の水を長距離に放水することができる。
(2)高圧で送水できるため、視界を遮ることなく障害物(瓦など)等を除去できる。
となります。
逃げ遅れた従業員の方を救急隊へ引継ぎ、
自立歩行不可想定の要救助者(ダミー人形)もレスキュー隊(特別救助隊)も工場内から救出完了。
寝屋川消防署長、寝屋川市消防団長への訓練完了報告、そしてオリヱント化学工業株式会社大阪事業所長 取締役 赤木宗久様、寝屋川市消防団の柴田団長様の挨拶、寝屋川消防署の岡田署長様による講評にて合同訓練が無事終了、お疲れ様でした!
・オリヱント化学工業株式会社様の取り組み
このような合同訓練は、ここ最近では2012年、2015年、2018年に実施。大阪事業所では安全対策に注力しており、年に2回行っている自衛消防訓練後の反省会で指摘された問題点の改善に努めています。
具体例として…
・保安救護分隊への耐火服の導入・負傷者の救出に向かう保安救護分隊員と外部の隊員間をロープでつなぐ。
・救急処置分隊の装備の充実(AED、酸素ボンベの導入)
・救命講習の受講の推進(当初、救急処置分隊員の受講から始め、現在では各工場の作業長、班長、グループリーダークラスまで受講しています)