通勤先での懐中電灯の利用シーン
通勤・出張時の防災用に懐中電灯を利用するシーンの一例として、
- 通勤先で被災して帰宅困難者になってしまう
- 出張先の地理に詳しくなく、停電時の対応が難しい
- 停電中に移動で、危険な場所を把握できない
前提として、危険な場所がわかりにくい状況で無闇に夜間移動はしないほうが良いのは当然ですが、リスク承知で個々の事情で動くケースもあれば、今いる場所が安全なままかどうかも情報収集していくと状況も変わってくる場合もあるでしょう。
建物からの退去や避難を指示されたり、浸水エリアが拡大したり、通勤に使っていた電車の運転再開の目途が立たず歩く事になったり…。
通勤距離が長い方や、土地勘があまりない場所への出張へ出向く場合は被災した時の影響が大きいため、備える懐中電灯の併用なども視野にいれておきましょう。
懐中電灯の携帯が軽犯罪法違反になる!?
福岡県で正当な理由なく「懐中電灯」を携帯していたために軽犯罪法違反容疑の現行犯で逮捕されたニュースがありました。
このニュースでは経緯や背景などが不明なので、実際の現場では警察が住居侵入などを疑って別件逮捕に踏み切る必要性が高まったからだと思われます。そうでないなら、
- 自転車用のライトを取り外したら逮捕
- スマホのライト機能のため逮捕
- ライブに持っていったペンライトで逮捕
…みたいな話になってしまい、いまごろ日本はライト逮捕だらけになっているはずです。
あとは勤め先→自宅、友人宅→自宅への帰り道とかから大きく外れて、深夜の住宅街の路上にたたずんでいた…、という場合でも警察官から見ても怪しさは増すでしょう。
とはいえ、不意に職質を受けたときに相応の「所持するに正当な理由」は想定したほうが無用なトラブルに繋がらないのも事実。記事にも書かれていましたが、
「駅前に駐輪した自転車用ライトとしてLEDライトを使っている。盗まれるのがイヤなので持ち歩いている」もあります。ホルダーごと持ち歩いていれば、より真実味が増すはずです。「これが無いと無灯火運転になりますが、いいですか?」と、ていねいに畳み掛けます。
引用:職質時にLEDライト所持で逮捕…を回避する方法 2019年11月13日 16:05
上記のように自転車用ライトと兼用するのがスマートでしょう。ジェントス社の筒状の小型ライトにも自転車用ライトとして固定するためのブラケットがあります。加えて、本記事ページでもあるように器具の携帯が通勤経路上である事も重要な要素かと思います。
ただし、マグライトのような懐中電灯だけは注意してください。あちらのゴツイ製品は「警棒(鉄棒)を所持」として扱われ、逮捕行きになる可能性があります。
警視庁のあの方もLEDライトを愛用中
要は、LEDライト=逮捕行きではなく、警察官はその前後に異常なアクションがないかを見ているはずです。なので正当な理由(通勤経路、友人宅帰り、旅先など)がまず前提してあるわけですね。警視庁警備部災害対策課さんのこちらのツイートとか、むしろ所持を勧めているくらいです。
重荷にならない明るくコンパクトなものを選ぶ
防災上の観点からは、一般的には両手が自由になるヘッドライトやウエストライトがよく候補にあげられます。
しかしながら、キャンプや釣りなどの趣味や仕事上で必要がなければヘッドライトを使う頻度が極端に減るため、バッテリーのメンテナンス(再充電や交換など)も考えると、普段から携帯しても負担にならない・自転車ライトなどと兼用できる製品を選ぶと良いでしょう。
また、捜索隊になる訳ではありませんので、「300m先もハッキリ見える!」みたいな性能は過剰性能となってしまいがちです。光の広がり具合が調整できるタイプでない場合は光が直線的過ぎになってしまい、周囲が把握しにくくなるデメリットもあります。
光の強さに関してもあまりに強烈な光は近くの路面などがモロに反射してギラついてしまい、まぶしくて逆に見えにくくなったりもします。この辺は3段階くらい調光機能がついたタイプを選ぶと良いでしょう。
加えて、いくら防災とはいえ重すぎる懐中電灯を持ち歩くには不向きに感じる方も多いと思います。明るさや点灯時間を追求しすぎて「結局、持ち運ばなくなった」という事にならぬよう、コンパクトさも重要なポイントです。
近年ではリチウムイオンバッテリーを電源とする懐中電灯も販売されているため、乾電池と豆電球で照らしていた時代とは比較にならないほど小型で明るく照らせる製品が数多く流通しています。
ポケットにも挟める37gのクリップライト Klarus HC3
Klarus HC3 Max 100ルーメン LEDヘッドライト 充電式ヘルメットライト クリップ式 0-180°角度調整可能 充電式キャップライト 3段階切替 防水性能IPX5 帽子ライトクリップ モーションセンサー センサー機能付き 27時間連続点灯可能 キャンプ/サイクリング/ハイキングなどのアウトドア活動 ケース付き ヘッドストラップ付き |
明るさ | 6~100ルーメン |
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明るさの切り替え | Low、Medium、High (赤色点灯モードもあり) |
点灯時間 | 4~27時間 |
電源 | リチウムイオン充電池を内蔵 電池残量を4段階表示のインジケータあり |
充電できるか | 付属のマイクロUSBケーブル経由で充電できる |
主な持ち方 | クリップで帽子、ポケット、ベルトに挟む(180度調整できる) 付属のベルトでヘッドライトにも対応可能 |
重量 | 37g |
防水性能 | IPX5(水の直接噴流に対する耐性) |
従来のクリップライトは20~30ルーメンで足元がぼんやり光るだけだったり、クリップ部の角度調整も90度までしか調整できないものばかりでした。そんな中…、
クラルス社のクリップライトはスマホの1/3くらいのサイズで100ルーメンの明るさを確保、スマホバッテリーからのUSB充電にも対応。このコンパクトさでは珍しい手をかざすだけで電源ON/OFFができるモーションセンサーも内蔵しています。
100ルーメンの明るさのイメージとしては停電時の屋内作業や、ゆっくり歩くスピードぐらいの足元を照らす分には対応できるぐらいです。
付属のバンドや収納ケースまでついており、照明としての性能、コンパクトさ、様々な持ち方に対応できる柔軟性もありバランスの良い製品ですね。
見通しの悪い通勤路への対応力を強化 GENTOS SG-407R
GENTOS(ジェントス) 閃シリーズ USB充電式LEDフラッシュライト SG-407R |
明るさ | 50~370ルーメン |
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明るさの切り替え | Eco、Mid、High スポット←→ワイドの照らす範囲の調整が可能 |
点灯時間 | 5~25時間 |
電源 | 専用充電池(交換可能) |
充電できるか | 付属のマイクロUSBケーブル経由で充電できる |
主な持ち方 | 手に持つ ぶら下げる 別売のブラケットで自転車に取り付ける |
重量 | 135g |
防水性能 | IP64(耐塵・防滴) |
長さ約135mm × 直径30mmと手のひらサイズでありながら、最大370ルーメンの明るさで5時間の点灯時間を持ち、照らす範囲を調整できる機能がついたジェントス社の懐中電灯。こちらもUSB充電ができるため、モバイルバッテリーをもっていれば不意の電池切れにも対応ができます。
通常、直線的なライトは用途が限られるのですが、下記のような場所が通勤路になっているような場合は、状況を早期に把握するためにも検討してみてください。山道のような場所を通る場合は、さらに高性能な懐中電灯が必要とされる場合もあります。
- 未舗装の道路が多い
- 起伏の激しいエリアがある
- 狭い場所や蛇行した道で見通しが悪い
- 土地勘のない場所へ行く
「筒状のこういった懐中電灯(SG-407R等)と、自転車用のライトとどちらが良いか?」という疑問については、筒状のものはレンズで光が収束するスポットライトのような照らし方が得意な事が多いめ、より遠方の状況確認に優れています。
市街地ならば自転車用ライトを防災用の懐中電灯と兼用するCAT EYE社のAMPP500や、Gaciron社のV9C800が適任だと考えております。
自転車用ライトで懐中電灯と兼用 CAT EYE AMPP500
キャットアイ(CAT EYE) 自転車用ヘッドライト AMPP500 最大約500ルーメン USB充電式 コンパクトでありながら頑丈でパワフル 横からの視認性を高めたサイドレンズ採用 HL-EL085RC |
明るさ | 250、500ルーメン |
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明るさの切り替え | Low、High |
点灯時間 | 1.5~3時間 |
電源 | 充電池(交換できるかは不明) |
充電できるか | 付属のUSBケーブル経由で充電できる |
主な持ち方 | 手に持つ 付属のブラケットで自転車に取り付ける |
重量 | 117g |
防水性能 | 不明 |
自転車通勤している方には特におすすめなのが、自転車用ライトをそのまま防災用の懐中電灯に使うというもの。スポーツ用の自転車用ライトにも使われるだけあって、そこそこ広めに照らしつつ、最大500ルーメンの明るさは土地勘のない場所での停電時も心強い存在となりそうです。
点灯時間に関してはモバイルバッテリーでの追加充電や、より遠くまで状況を把握しなければならない場所に対してだけHighモード使うと良いでしょう。
小型でも極めて明るい自転車用ライト Gaciron V9C800
Gaciron(ガシロン) V9C800 自転車用フロントライト(800ルーメン)【国内正規品】 |
明るさ | 200~800ルーメン |
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明るさの切り替え | Low、Normal、High 照射角度85度 |
点灯時間 | 1.3~4.5時間 |
電源 | 充電池(交換できるかは不明) |
充電できるか | 付属のUSBケーブル経由で充電できる |
主な持ち方 | 手に持つ 付属のブラケットで自転車に取り付ける |
重量 | 125g |
防水性能 | IPX6(より強い水の直接噴流に対する耐性) |
ガシロン社の中堅グレードの製品ながらも最大800ルーメンの明るさを確保。防水性も高く、水中ライト一歩手前くらいの性能です。長さ10cm×幅3cm程度のコンパクトさに加え、最大800ルーメン明るさは他社ではなかなか無い製品と思います。
筒状の懐中電灯にありがちな「スポットライトのように遠くまで照らす必要はないな…」と感じる場合は、Gaciron社のV9C800のような広めに照らせる自転車用ライトをそのまま転用すると使い勝手が良いでしょう。
ちなみに1000~2000円ぐらいの自転車用ライトを買うと、光をあてた中央だけが明るかったり、光を均一に照らせなかったりするのであまりおすすめできません。
単三電池1本、75gの軽量ヘッドライト GENTOS CB-531D
GENTOS(ジェントス) LED ヘッドライト 【明るさ190ルーメン/実用点灯3時間/耐塵/防滴】 単3形電池1本使用 コンブレーカー CB-531D ANSI規格準拠 広範囲照射 |
明るさ | 50、190ルーメン エリアモードは45ルーメン |
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明るさの切り替え | Eco、High 手元を広く照らすエリアモードが別途あり |
点灯時間 | 3~12時間 |
電源 | 単三電池 × 1本 |
充電できるか | 不可(エネループには対応可能) |
主な持ち方 | 手に持つ 付属のヘッドバンド |
重量 | 75g |
防水性能 | IP64(耐塵・防滴仕様) |
本体サイズは幅6.9cm×高さ3.3cm×奥行4.1cm、イメージとしては冷蔵庫とかに磁石でひっついてるキッチンタイマーや、10円玉を6枚(横3つ×縦2つ)並べた時くらいの面積で非常にコンパクト。
照明としての性能も良好で最大190ルーメンと明るく、エリアライト機能(光が散光する点灯モード)もついており遠近両用のヘッドライトになっています。
充電式ではありませんが、単三電池1本で稼働するので予備電池を1つ持っていっても重量負荷は1本あたり20gほどに抑えられます。