東日本大震災でラジオが活躍!その背景は?
日常的にラジオを聴く方は減少しつつありますが、東日本大震災のような大災害ではラジオが活躍しました。株式会社サーベイリサーチセンターが行った宮城県の被災地アンケートをまとめた、全126ページの調査報告書によれば、
- 大津波警報を知るにあたり、テレビよりもラジオが優位だった
- 地震発生後から数日間の情報源としてもラジオが6割、テレビはまだ1割ちょい
東日本大震災は2011年に発生した災害ですが、当時、携帯電話の普及率は9割超え、スマートフォンは急速に普及しつつはあったものの3割ぐらいでした。
ですが、当時は携帯電話か?スマホか?という問題ではなくて、震災のダメージがあまりに広範囲で放送局ごと被災したり、停電でテレビがつけられなかった、という被災地の背景がありました。
当時の20~30歳の若手は携帯電話で情報収集は試みていたようですが、停電の影響でインターネットへの接続が困難となっており、結果として情報収集に役立った防災グッズにラジオにたどり着くことになったようです。
ラジオなら特定地域の被災情報にも強い
テレビは大きな被害状況をよく報道しますが、「◯◯市の状況は?」「給水車はいつ・どこにくるのか?」みたいな細かな情報が得られにくい傾向があります。
一方、ラジオは配信するための設備がテレビよりもシンプルに済み、比較的、地区の情報を繰り返し報道できる強みがあります。地域は限られますが、コミュニティFMと呼ばれるよりピンポイントな放送局もあるほどです。
ラジオを防災グッズとして備えておくほうが良いのは確かですが、実は昨今の情勢としてAMラジオの運用が停止される見通しになっています(特に民放)。
AM放送の廃止が可能に FMに転換、令和5年にも 総務省有識者会議
NHKはAM放送を継続する。~(中略)~民間ラジオ局は聴取率低下などで広告収入が落ち込んでおり、FMへの一本化で経営改善につなげる意向だ。~(中略)~ワイドFMの周波数は旧来のラジオでは受信できない。対応ラジオへの買い替えが必要
産経新聞社 2019年8月30日 報道 より引用・抜粋
民放側はAMラジオからFMへと移行する期間もあるため、AMラジオ・ワイドFMの両方に対応機種の用意が必要となりそうです。
ワイドFMの対応しているかどうかは、対応周波数帯域が従来の76MHz~90MHzから、さらに追加で90.1MHz~95MHzまで受信できるかを確認してください。
防災グッズにおすすめなワイドFM対応ラジオ3選
ラジオは大手家電メーカーからも多数の製品が販売されていますが、手回し発電に対応した自宅の備えと、持ち歩いても負担にならない小型の製品の2つに分類し、さらに電池の種類や電池の持ち具合、受信できる周波数、重量、サイズ、防災に役立つ機能の各仕様をチェックした上でピックアップしました。
手回し充電対応・LEDライト付きラジオ ソニー SONY ポータブルラジオ ICF-B09
ソニー SONY ポータブルラジオ ICF-B09 : FM/AM/ワイドFM対応 手回し充電対応 オレンジ ICF-B09 D |
サイズ | 13.2cm × 7.7cm × 5.8cm |
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重量 | 376g |
電源 | 単3電池 × 2本 内蔵充電池 + 手回し発電 |
電池の持ち | スピーカー使用時 80時間 |
対応周波数 | AM、ワイドFM |
防災に役立つ機能 | 水しぶき程度の防水性(IPX4相当) イヤホンでバッテリー節約 LEDスポットライト、周囲を照らすソフトライト 手回し発電 iPhoneや携帯電話への充電端子 |
付属品 | キャリングポーチ、マイクロUSBケーブル、充電プラグアダプター、非常用の笛、ハンドストラップ |
自宅に備えにピッタリなソニー製の防災向けラジオ。手回し充電でiPhoneをフル充電したりするのは実際には困難でしょうが、ラジオやLEDライトであれば電力をまかなえます。
細かなところですが備蓄時に他の製品と電池の規格を合わせやすい単三電池が主な電源になっています。長期保存でも液漏れしにくいパナソニックのエボルタNEOを使うと良いでしょう。
ワンセグTV音声など幅広く受信 ソニー SONY ポケットラジオ XDR-64TV
ソニー SONY ポケットラジオ XDR-64TV : ポケッタブルサイズ ワイドFM対応/FM/AM/ワンセグTV音声対応 ブラック XDR-64TV B |
サイズ | 5.56cm × 10.68cm × 1.69cm |
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重量 | 94g |
電源 | 単4電池 × 2本 |
電池の持ち | スピーカー使用時 28.5時間(FM) |
対応周波数 | AM、ワイドFM、ワンセグTV音声受信 |
防災に役立つ機能 | 幅広い受信周波数 |
使用する電源が単4電池と小型で電池の持ちも短めですが、持ち運びやすいサイズのラジオでワンセグTV音声受信機種は少ないのが難点ですね。パナソニック社の3バンドラジオも確認したところRF-ND50TVが該当しましたが、アルカリ電池を使っても電池の持ちがスピーカー使用時はソニーの本製品よりも大幅に少ない15時間でした。
格安ラジオ・単3電池で100時間受信 ソニー SONY ハンディーポータブルラジオ ICF-P26
ソニー SONY ハンディーポータブルラジオ ICF-P26 : FM/AM/ワイドFM対応 縦置き型 ブラック ICF-P26 B |
サイズ | 6.9cm × 11.9cm × 3.8cm |
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重量 | 180g |
電源 | 単3電池 × 2本 |
電池の持ち | スピーカー使用時 100時間(FM) |
対応周波数 | AM、ワイドFM |
防災に役立つ機能 | イヤホン使用時は250時間のロングラン(FM) |
外装はさすがに高品質感は出ませんが、防災グッズとして電源を共通化しやすい単3電池と約2000円程度のリーズナブルな本体価格。液晶などもついていないためスピーカー使用時でも100時間の受信が見込めるのは格安ラジオと言えど頼もしさがありますね。