場所は京都市消防活動総合センター、ここで浸水家屋からの要救助者救出訓練が実施されました。消防学校や訓練施設、災害時の拠点など様々な用途に対応できるこの施設では、台風やゲリラ豪雨などによる被害を再現できる水災害対応訓練施設があります。
「浸水家屋からの要救助者救出訓練」は下記の画像の通り、鋼鉄製のプールで救助隊が到着した時点からスタートし、1階は水没、2階に取り残された市民を救助。ちなみに今回は最大で1時間あたり100mm以上の豪雨を想定した訓練仕様となっています。
この鋼鉄製のプールについては防災レポートの水災害対応訓練施設記事で仕様を紹介しておりますのであわせて見ていただければ。
足場で組まれた模擬家屋に取り残された市民役の方。細かなところですが、窓のサッシも再現され、豪雨時の雨音で聞こえにくい状況も想定されていました。
訓練に参加する救助隊は京都エリアに点在する各署。訓練期間は数日かけて10回以上実施されていたと思います。
下記は別グループの訓練風景。
ボートが損傷しないよう立てて進水へ。エンジンはついておらず、流されないようロープがつけられており地上側の方が常に一定のテンションをかけてボートを制御。
模擬住宅の配管にボートを係留、要救助者が2階に居るためハシゴをかけますがボートへと救助するまでハシゴを支え続ける状態に。
ボートへハシゴなどの他、一緒にもってきた防水シートで要救助者を素早く保護。
上記も別グループの活動状況で、ボートを模擬住宅の配管へ係留している様子。
毎時100mmの豪雨想定だと、もはやゴーグルなしでは視界が確保できない状態。顔面に雨水が大量に滴り落ちるのがわかります。
撮影時、シャッタースピードを上げて雨粒の様子を捉えたものですが、霧のように真っ白です。訓練時間は10分程度だったと思いますが、そんな短時間でも・・・
ボート内へ降り注いだ雨水をバケツで排水しなければならない状態に。
マンガやアニメなどでボートに穴があいて浸水、乗員が慌てて手作業で排水するようなシーンを見かける事があると思いますが、まさかリアルで見ることになるとは・・・。毎事100mmの降水量おそるべし。
小さめのボートの面積ですらこんな状態ですから、周囲よりも低い位置(地下・道路の傾斜など)はこの大量に雨水が一気に流れ込むことになります。
皆様もゲリラ豪雨発生した際の行動についてリスクの参考イメージになるのではないでしょうか。傘はもちろん、安めのレインコートぐらいでしのげるレベルではないので、屋内であれば不要不急の外出を避けたり、地下などの流れ込みやすい場所からの早期避難に努めましょう。