チェックリスト

防災グッズの「セット品」を買う前に確認したい7つのチェックリスト

災害時に本当に必要な製品について

防災グッズの「セット品」とは?

防災グッズを買い揃えるには大きくわけて、1品ずつ検討しながら買い揃えるか、セット品を買って10~30品を一気に揃えるの2つあります。

防災グッズのセット品とは、下記のような袋へまとめて防災グッズが詰め込まれているコトが多く、下記みたいな持ち出し袋として販売されています。

よく見られる防災グッズのセット品。10~30点ほど製品が詰め込まれていることが多く、手軽に買い揃えられるが個々の事情には融通が利きにくいデメリットもある。

セット品は買い揃えやすい一方で、質・量ともに不十分だったり、余分な商品を買い込んでしまう場合がでてきます。

例えば、使いにくいロープや役立ちにくそうな工具、防寒やグリップ力などを高めるには心もとない軍手、一瞬で使い切るであろう非常用トイレの数量…etc.

防災グッズは使われるシーンの関係上、特殊な装備品にも見えますが実際には普段の生活にあるものが大半です

セット品の購入前チェックリスト

緊急性はあるか?防災グッズをそれぞれ買い揃える余裕はなさそうですか?(ホームセンター、スーパー、コンビニ、ドラッグストア、100円均一ショップ、家電量販店、アウトドア関係のお店などで入手可能です)
品質は良いか?セット品の内訳を確認した際、実は100円均一ショップで買えるものが大多数だった、という内容になっていませんか?
バランスよい構成か?LEDランタンやバッグといった主力品だけが豪華で、不足品が多発していたり、利用価値が著しく低い製品が多く含まれてませんか?
被り物はないか?家のどこかに同じものが幾つもあったりしませんか?
かき集めると本当に不足しているものがそれほど無かったという事はないですか?
不足品はないか?セット品を買う事でだいたいの防災グッズが揃いそうですか?
新たに買う必要が出て結局高く付いたり、二度手間になりませんか?
使いやすいか?使いやすそうな製品がセット品に含まれていますか?特に折り畳みナイフや工具類は普段から使い慣れていないと活躍する出番は自然と少なくなります(ケガをしたり思うように加工出来なかったり)。
消耗品ばかりでないか?
サランラップ、使い捨ての軍手、ビニール袋、缶詰、飲料水のようなスーパーやホームセンターにある品物ばかり入っていませんか?

どうでしょうか?

この7つを確認してみるだけでも余分な防災グッズを買い込まずに済み、備蓄にかかる費用も抑えられると思います。

ちなみに今まで防災グッズのセット品を見てきて、「このセット品は量・質ともに充実している!」と感じた事は一度もありません。本Webサイトで防災グッズのセット品を強く紹介していない理由はここにあったりもします。。。

また、備蓄量に関して内閣府は南海トラフ巨大地震のような巨大地震を想定する場合、1週間分以上の備蓄が望ましいとしています。

以前は3日分などと言われていましたが、東日本大震災による広範囲な被害も踏まえて市民の自助力向上が求められるようになりました

しっかり備えるためにも、まだ余裕のある間に「セット品1つ買って終わり!」とせず、防災グッズを見直しましょう。

防災グッズのセット品のメリット、デメリット

メリットとしては、防災グッズを1つ1つ買い揃えてそれぞれのバッグに詰め込むような作業が不要なため、多人数・一定品質・短時間で用意するには丁度良い商品と言えます。他の県で災害が起きて心配になり「そういえば備えがなかった!」と、慌てて購入する方にとっても急ぎで用意できる、という意味では助かる一品でしょう。

デメリットとしては、前述にもあったように防災グッズ1つ1つの質・量。

セット品の主力品の一つとして位置づけられそうな手回し発電付きライトでスマホも充電できる、という製品ですが、スピーカーラジオや短時間LEDライトを付ける程度であれば対応が可能なものの、スマートフォンを充電するには発電量が少なく、いざという時には頼りにはしにくいです。

非常用発電専用に作られている訳でもなく「おまけ機能」みたいな作りなので、小さな部材で作られたハンドルは思った以上に回しにくいのです(※本体を手に持たずマジックテープ等で家具と組み合わせて強固に固定すればそこそこ回しやすくはなります)。製品によってはケーブルの規格が異なり対応ができない場合も。

頼りになるかスマホ用発電機の実力、記者が検証
https://style.nikkei.com/article/DGXDZO71305130W4A510C1W02001
10分間回せるかどうか、続けてみた。だが、やがてハンドルをつまむ親指と人さし指が痛くなり、妻に代わってもらった。妻から長男、次男へと、バトンならぬハンドルリレーを続け、10分たったころには皆、親指の腹が真っ赤になった。スマホの充電量は3%増えただけだった。

またセット内の主力品へのコスト割り振りが偏っているとセット品としてのアピールポイントにはなりますが、防災グッズとしては役に立ちにくい製品まで紛れ込んでいたり、全く入ってなかったりします。

例えば電池。試供品として限定されたもの(※低コストだが長時間使えない)や、そもそもセット品の中に入ってない場合もあります。せっかく1~3万円する防災グッズのセット品を買ったのに、いざ被災時にLEDランタンをつけようとしたら電池切れ、とならぬよう、購入前に確認して不足品を追加購入する必要があります。