防災グッズへの予算はどれくらい掛けるべき?
防災グッズは一種の『保険』と考えよう
セリアやダイソーで販売されている100均のLEDライトでも、ジェントスの3000円するLEDライトでも周囲を照らすという製品の役割としては変わりありません。
この30倍の値段差をどう捉えるべきでしょうか?
ズバリ、防災グッズへの予算は傷害保険みたいなものです。
万が一のときに手厚いサポートを必要とするのか、不要なのか・・・。100均で防災グッズを揃えることは不可能ではありませんが、さすがに手厚いサポートとはいえません。
100円均一ショップ自体が、まだ使ったことがない分野の商品を気軽に試したり、消費者の工夫で多様な役割を果たしたりと製品開発の方向性が専門メーカーとは異なります。
予算が低すぎた場合に想定されること
コストを抑えられることはメリットですが、災害時に役に立たなければ意味がありません。前述の通り、100均はその性質上、製品開発を割り切ってコスト削減を追求していますから災害時にご自身の利用方法に耐えうるかどうか注意が必要です。
製品の品質といっても細かく見ていけば奥深いものがあります。
耐久性 | 落としても壊れないか 不意に力がかかっても破損しないか 経年劣化に強いか 多少損傷しても継続利用が可能か |
防水性 | 水に濡れても利用が可能か |
操作性 | 直感的に操作が可能か 各部がスムーズに動作するか 不意に落としたりしないか |
安全性 | 想定外の利用でも被害が拡大しないか 誤操作防止の配慮があるか アレルギー症状に繋がったりしないか |
効果性 | 目標達成への十分な能力があるか |
互換性 | 電池など他の製品へと流用できるか |
拡張性 | 他の製品と組み合わせることはできるか |
保守性 | 頻繁なメンテナンスは不要か メンテナンス箇所が多すぎたりしないか メンテナンスコストを低く抑えられるか |
コストパフォーマンスを追求するとしても、防災グッズは万が一に役に立ってもらわないとダメですが、仮に一切使わずに経年劣化が進んで買い換えることになっても「コレ使わずに済んで良かったなぁ」といった考え方も大事だと思います。
高性能な止血ガーゼが手元にあり、これが10cmに及ぶ切り傷にも有効だったとしても、本来はその痛い思いをしなくて済むほうが一番良いですからね。
100均ショップで防災グッズを買うとすれば?
防災という観点でいくと、あまり候補がありません。
例えば下記はダイソーの滑り止め手袋です。こういった滑り止めがついた手袋は被災した建物や家具を移動させたり、救出活動のサポートには向いています。素手よりも作業性がはるかに向上します。
ただ、ラテックスアレルギーやフィット感、尖った木片やガラスなどに対する創傷予防、継続利用時の耐久性などを加味していけば、どんどん候補から遠ざかります。どこまで求めるかは前述の通り、保険と同じ考え方です。
100円均一ショップは「気軽に試せる」という点では非常にメリットが大きいので、まずは使い勝手を実感してみましょう。
100均にある防災グッズ利用時の確認ポイント
お試しで買ったあとは下記のようなポイントに注目して、製品品質を確かめていけば「これならもうちょっと丈夫なやつがいるな~」等と感じ取れるはずです。
レインコート | 接合部の強さ フィット感 サイズが短すぎないか 継続使用が可能か |
LEDライト | そもそもの明るさ 稼働時間 対応電池の種類 故障率の度合い |
乾電池 | 液漏れのしにくさ 長期保存性 |
シート関連 | サイズ 破けにくさ 継続使用が可能か |
メタルマッチ | 着火操作のしやすさ 十分に火花がでるか |
給水袋 | 接合部の強さ サイズ 栓部の水密性 |
マスク | 100均以外でも十分安価 |
携行食 | 100均以外でも十分安価 |
ハサミ | 操作性は良いか 切れ味に問題はないか 切れ味が持続するか |
ホイッスル | 音の出しやすさ 音の大きさ 水に濡れても使用可能か |
携帯トイレ | そもそも単独使用しにくい 容量の不足 防臭対策 |
救急キット | 対応できる外傷の範囲の狭さ |
当サイトでは防災に関するコンテンツを幅広いサイト訪問者の方へお伝えしている都合上、コスト削減を重視しすぎて役立ちにくいシーンが多発させる訳にはいかないので、100均の防災グッズは特におすすめはしておりません。
根本的に防災の予算を抑えるには?
防災グッズに頼らずに済む状況にする必要がある
これは下記の記事にも通じることですが、可能な限り災害に遭いにくいようにしつつ、さらに災害発生時でも減災しやすい街である必要があります。
自然災害が及ぼす力に対し、個人が用意した防災グッズで対応できる範囲には限界があります。日本は自然災害が多い国ですし、気象庁の公開データからも大雨や猛暑日の頻度は年々高まるばかりです。
災害をゼロにはできませんが、災害で大きな被害が出にくい地域はハザードマップや行政が出す地域ごとの被害想定から確認が可能です。